2007 IIHF 世界女子アイスホッケー選手権ディビジョン I オフィシャルサイト
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インタビュー
アンドリュー・アレンGKコーチ インタビュー
今回の世界選手権に向けて、日本女子代表チームの一員となったアンドリュー・アレンGKコーチ。彼のGK観から日本ホッケーの印象、そしてこの大会に賭ける意気込みを聞いた。
   
── 先ず、アイスホッケーを始めたきっかけとあなたのキャリアを教えてください。
アレン 私は農場で生まれ育ったのですが、冬になると家の裏の池が凍って、スケートができるような環境に育ちました。スケートを始めたのは2歳か3歳ぐらいの時でアイスホッケーを始めたのは5歳の時でした。 そしてGKになったのは7歳の時。だからFWとしての経験も2年ほどあります。
 私の母国であるカナダにはどこに行ってもリンクがあるので、アイスホッケーをすることはごく普通のことでした。 そんな環境でアイスホッケー漬けの毎日を送り、運良くホッケー奨学金を得てアメリカのバーモンド大学に入り、大学卒業後はNHLのフロリダ・パンサーズに入団しました。 ルーキーの年は2試合ほど出場したのですが、その後5年ほどのプロ生活の大部分はAHL(American Hockey League)とECHL(East Coast Hockey League)の間を行き来するものでした。 アップダウンの激しいキャリアだったと思います。
── カナダやアメリカではGKは花形のポジションというイメージがありますが、あなた自身はなぜGKになったのですか?
アレン 大部分の子供たちがGKに憧れるのは、GKのルックスが派手だということがあるでしょう。 ペイントの施されたマスク、そして大きなプロテクター。小さい頃はみんな、人と違った格好をしたがるから。 それにホッケーのGKは野球でのピッチャーと同じようにとても重要なポジションです。私にとってはその大きな責任感が励みとなりました。 勝ち負けを自分が握っているというか、私の調子によってチームが負けてしまったり、勝ちを拾ったりするわけですから、その緊張感にシビれたのだと思います。 GKになった後、他のポジションをやろうと思ったことは全くありません。GKというポジションの魅力にとりつかれてしまったのです。
── それでは日本のGKはどう思われますか?やはり彼ら、彼女らもそういった魅力にとりつかれていると思いますか?
アレン 同じだと思います。GKをやっている人間は皆、あのプレッシャーが好きなのです。目を見れば分かります。 いいGKの目は常にあのプレッシャーを求め、困難なシチュエーションを探しているのです。だから目を見れば、どのくらいの実力かも分かりますね。 ピンチを迎えることに怯えているのか、それともむしろ、そのピンチを自分の晴れ舞台だと思えるのか。 そのシチュエーションを楽しめるのであれば、GKになるべきです。これは世界のどこでも共通していることだと思います。
── 実力としてはどうでしょうか?カナダやアメリカとの違いは?
アレン もちろん体格的な差はあると思います。私を含めて北米のGKは大柄ですから。 しかし、日本のGKは非常に敏捷性に優れ、パックに素早く反応できる力を持っています。これは日本の武器でもあります。 また、日本のGKは非常にどん欲です。常に上のレベルを求め、自分たちの力を伸ばし、それを更なる自信へとつなげようとしています。 そんな仲間たちと一緒に仕事をするのはとても楽しいことです。
── 日本代表のGK2人はどうですか?
アレン アズサ(中奥選手)もナナ(藤本選手)もどん欲だし、プレッシャーを楽しむことができる優れたGKだと思います。 もちろん性格は違いますけどね。アズサは外向的ですが、ナナは物静かなところがあります。 でも共通して言えることは2人とも、リンクの上では非常にアグレッシブであること。これはいいGKの条件です。
── それではGKだけではなく、日本人選手のことをどう思いますか?
アレン 日本の武器は疑う余地もなく、そのスピードにあると思います。 これは男子、女子、どのカテゴリーを取っても同じことが言えます。 そして、早いフォアチェックとプレッシャーが強みですね。 他の国との体格差はあるかも知れませんが、今年のルール改正によって日本のスピードを生かしたホッケーは他国への脅威となることでしょう。 各国ともに何人かは日本のスピードに太刀打ちできる選手がいるかも知れませんが、チーム全体となるとやはり日本が優位であることは間違いありません。 これは大きな武器です。
── それはフランスやデンマークとのテストマッチでも見られましたね。
アレン そうですね。ただ、フランスに関して言えば、彼らは時差ボケに苦しんでいたと思います(笑)。 大会本番ではもっといいホッケーをしてくることでしょう。デンマークとの試合はグットゲームでした。我々のスピードが生きた試合でしたね。 この大会では日本のスピードと他国のフィジカルサイズの勝負となるでしょう。
── 逆に日本の弱点はどこでしょうか?
アレン スキルですね。日本は試合の主導権を握ることができますが、ゴールの近くでの技術が少し足りません。 チャンスを多く生み出し、試合を優勢に進めるのですが、得点力が足りない。 この点を今、一生懸命、取り組んでいます。パス・レシーブ、そしてシュート。こういった基本的な部分を改善していくことが日本に必要なのです。
── なぜ、こういった基本的な部分が弱いのでしょうか?
アレン それは日常の生活に関わっていると思います。 日本は残念ながら、カナダやアメリカと違って、国全体でアイスホッケーが盛んだとは言えません。 ホッケーが盛んだと言えるところは北海道や本州の一部分にしかありません。ホッケーが盛んであれば、たくさんの選手と毎日、レベルの高い練習ができます。 自分よりも上手な選手と練習をすることで自分のレベルアップにつながるのです。残念ながら今の日本はそういった環境に恵まれていません。 だからこそ、より良い環境を我々の選手たちに与える努力が必要だと思います。
── 努力はなされていると思いますか?
アレン 個人的な意見ですが、今の日ア連(日本アイスホッケー連盟)の強化プランは素晴らしいと思います。 大会毎に短期的な目標を立てて終わるのではなく、シーズンを通したプラン、そして長期的なビジョンを持って、代表の活動に取り組んでいます。 その努力の成果も少しずつ表れてきました。今回の世界選手権も現在の一環した強化プランの中、きちんとした結果を出すことができると思います。
── それでは、本大会でも活躍を期待しています。
アレン ありがとうございます。

<プロフィール>

アンドリュー・アレン(Andrew Allen)

1976年8月2日生まれのカナダ出身。5歳の時にアイスホッケーを始め、アメリカ・バーモンド大学からNHL(フロリダ・パンサーズ)入り。5年のプロキャリアを経て、コーチに転向。 今回、日本女子代表のGKコーチとして初の世界選手権に臨む。
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