2007 IIHF 世界女子アイスホッケー選手権ディビジョン I オフィシャルサイト
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インタビュー
佐藤弘一監督インタビュー
3月25日に日光入りした女子アイスホッケー日本代表選手たち。4月2日の大会開催を前にした直前合宿の狙いとゲームでのポイントを、佐藤弘一・日本女子代表監督に聞いた。
(聞き手=佐藤あゆみ・元日本代表)
   
── 今回の代表メンバー選びの基準は何ですか。
佐藤 ここ数年、大事な試合で1点差で勝てないことが続きました。その理由は、技術的なところより精神的なところにあるのではないかと考えました。
 そこで、苦しい場面で逃げ道をつくらない選手、4戦目、5戦目のタイトな試合になったときにがんばれる選手ということを第一の条件に選考しました。 バックチェックをするときに、もう1歩がんばったら相手選手に追いつけるのに「この選手はこういう選手だから追いつけないで当たり前」というプレーをする選手は必要ないということです。
 苦しい局面でどれだけのプレーができるのかと考えると、自分の限界を超えられるような精神力が必要になります。3月中旬に苫小牧で行った強化合宿は、かなり高いモチベーションを保ちながら練習ができました。
── 今季(2006〜07シーズン)からルールが変更され、妨害行為が厳しくとられるようになりました。国際試合で反則は増えていませんか。
佐藤 国際試合では、ほとんど変わっていないようです。 今年に入って開催されたエアカナダカップ(ドイツ)も冬季アジア大会(中国)も、世界女子U18選手権大会(フィンランド)も、基本的にストロークをつけてぶつからない限り、 ボディコンタクトに対する反則はほとんどとられませんでした。 ただ、日本国内では反則になります。
 今回は日本開催の世界選手権ですが、国際アイスホッケー連盟(IIHF)のレフェリースーパーバイザーなども来日して、国際大会なので新しいルールにのっとってやりましょうという指導の下に試合が行われるようです。そうなるとスピードのある日本には有利です。
── 大会開催1週間前の3月25日に集合して、26日午前中から練習開始。この直前合宿で重点的に練習したいことは。
佐藤 直前合宿は強化合宿と違って、フォーメーションの繰り返しとコミュニケーションをいかにアップさせるかといった点を重点的にやっていきます。
 05年に僕が日本代表スタッフになって以降、システムなどは一貫して同じで、それを導入しているクラブチームも多いようです。ただ、代表チームでは普段組んでいない人と組みますので、1週間、練習や試合を通じながらそれを確認してセットをまとめたり、チーム全体でのコミュニケーションを図ったりと、細部を確認してもらいたいと思っています。
── 代表メンバーは、下は17歳から上は29歳まで幅広い年齢層です。若手とベテランのバランスをどう考えていますか。
佐藤 若手は若手でU-18に出場してチームをまとめているし、コミュニケーションに関してあまり心配はしていません。
 ベテラン組も今シーズンは一番調子がいいんじゃないかな。2月の全日本選手権女子を見ていて、仕事を持っていて忙しいけれど、大きな大会に照準を定めてきているのはさすがだなと思いました。彼女たちは、ここで勝ちたいと思ったら、自分の10のスタミナをそれ以上に引き上げるだけの執念や熱いハートを持っている。五輪出場を逃すなど苦い経験もしてきているし、それが最後の一押しをさせてくれるのでしょう。
── これは厄介だなと思う外国チームや試合はありますか。
佐藤 わからない部分もあるけれど、親善試合もやるし、情報もいろいろ入ってきています。 外国人選手は体格もいいし、シュート力もあってレベルが高いのですが、何人かの中心プレーヤーに頼り切っていたり、第3ピリオドまで続く体力がない、フリーにならないとシュートが打てないなど、弱点もあります。とくに、日本の小柄な選手がシュートラインにいたりプレッシャーをかけたりすると、シュートが打てなくなってしまう外国人選手が多いですね。
── 日本の早いチェックがポイントになると。
佐藤 2005年の世界選手権ディビジョンI(スイス)は全勝対決の最終戦でスイスに3-2で負けたけれど、取られた3点のうちまともな得点は、フリーでブルーラインで入ってきた相手選手に誰もプレッシャーに行かず、ゴールキーパー(GK)の肩口に入れられたバッティングシュートだけでした。
 守りでついていき、いい体勢でシュートを打たせなければ、決定的な点は取られない自信はあります。
── 得点力のほうはどうですか。
佐藤 シュート・アンド・リバウンドがポイントで、とくにゴール前のリバウンドはハイショットを打つよう徹底しています。
 外国チームのGKは背が高く、かつバタフライでセーブする選手ばかりですが、横の動きはそれほど俊敏ではないので、高いシュートならまず入ります。 だから、トップコーナーを狙うようなシュートを打ちなさいと。近距離からのハイショットはほとんどの選手が打つことができます。 試合では、それを冷静に決められるかどうかがポイントです。
── 日本初開催となる世界選手権に向けて。
佐藤 一貫して言ってきたのは、誰かに頼るのではなく自分のプレーに対して自分が責任を持つということ。
 ベンチに入っている代表選手は、全員が戦力です。男子の代表は22人ですが、女子は20人。 3セット+アルファという考え方をされてしまうと、モチベーションが下がってしまう。われわれは全員が主力選手で、全員で60分を戦います。
── では最後に、応援してくださる方々にメッセージを。
佐藤 日本代表は100%の力を出すと信じています。それを後押しいただけるのが、国内開催の大会の1つのメリットです。 大会を通じてプラスアルファの力を借りなくてはならない状況になるかもしれませんが、最後には応援していただいた方々とともにわれわれスタッフも歓喜の渦の中にいられるようにがんばっていきたいと思います。

<プロフィール>

佐藤 弘一(さとう こういち)

1964年北海道生まれ。雪印でFWとしてプレー。2006年から日本女子代表監督。八戸大学アイスホッケー部監督も務める。
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