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あゆみ'S EYE 〜佐藤 あゆみ 大会コラム〜
 
2007/4/8 第12回 銅メダルの行方
ワールドベースボールクラシックで日本が優勝したときのこと。アメリカに勝ち、日本を決勝戦へと導いてくれたメキシコに、日本のファンからたくさんの「ありがとうメール」が届いたという。
たぶん、彼女たちもそのときの日本の野球ファンと同じ心境だったんだろう。
ここで言う彼女たちとは、優勝が決まっているJAPANのことではない。
JAPANと最終戦で戦ったチェコの選手、そして、フランスの選手たちのことだ。

日本戦の前に行われた、フランス-デンマークの試合。同点で迎えた第3ピリオド、会場入りしていたチェコの選手たち全員が観客席に陣取り、大声でデンマークの応援をし始めた。
それもそのはず。デンマークがオーバータイムにまでもちこめば、勝ち点の差によりフランスは自力での3位がなくなり、彼女たちへチャンスが回ってくる。日本に勝てば、ホッケー大国であるチェコに銅メダルを持ち帰ることができるのだ。

‘チェコ選手団’の応援のかいあって(?)、試合は延長戦、そしてGWS(ゲームウィニングショット)までもつれこみ、結局デンマークが今大会初勝利をあげた。この時点でチェコにチャンスが回ってきたわけで当然、選手のモチベーションは上がる。日本戦を控えたチェコ選手がリンクサイドで、母国語ではない英語で叫んでいる。
「Thank You Denmark, Thank You!!」

単なる優勝ではなく、「完全優勝」を目指す日本にとって最終戦が単なる消化試合ではないことはわかっていたけれども、こうなると、銅メダル争いに影響が出てくる重要な試合となってしまった。
第1ピリオド、山中の自身今大会初となるゴールで日本が先制する。しかし、チェコもそのわずか1分後、ポイントゲッター・スツデントーワがゴールを奪い、1-1の同点に追いつく。昨日に引き続き、嫌なムードで第1ピリオドを終えた。

しかし第2ピリオド。優勝が決まっているとはいえ、大会最終日ということでそれなりの盛り上がりを見せていた試合が、まるでサッカー・ワールドカップの試合と化した。太鼓をたたいて応援してくれているいつもの日本サポーターに加え、なんと今度はフランス選手が日本を応援しはじめたのだ。
サッカーのサポーターがよく歌う「アイーダ」を日本サポーターと一緒に歌い、飛び跳ね、「Let’s go NIPPON, Let’s go!!」と叫んでいる。自力での3位はなくなっても、日本がチェコに勝てば、フランスが3位になるというわけだ。

‘フランス選手団’の応援のかいあって(??)、第2ピリオド、日本は4点という追加点を奪い、試合の行方を決めた。しかし、チェコもこの試合、そして今大会の最終ピリオドとなる第3ピリオドに意地を見せ、ゴールを奪う。日光霧降アイスアリーナは、この最終戦が決勝戦であるかのような盛り上がりを見せ、会場は言葉通り、クライマックスを迎えていた。

初の日本開催となる世界選手権で「完全優勝」を成し遂げたJAPAN。
1999年、地元フランス大会で3位に甘んじていたフランス。しかし、今回の3位は、きっとあのときとはまた一味違うのかもしれない。
おそらく日本サポーターから教わったのだろう。フランス選手はみなとびっきりの笑顔で、母国語ではない日本語で即興の歌を歌いながら、閉会式へと向かっていった。
「アリガトウ〜アリガトウ〜ホントウニアリガトウ!」
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