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「思いやりをもってプレーしなさい」
中学1年生のとき、当時の八戸レッズの監督がそう教えてくれた。
「氷上の格闘技」と言われるほど激しいスポーツであるアイスホッケーなのに、思いやり?そう不思議に思う方がいるかもしれないけれど、アイスホッケーはチームプレー。
パスを出すとき、受け取る相手がレシーブしやすいように出しなさい。
パスがほしいときに、自分がどこにいるのかわかるように、「はい!」と大きな声で意思表示をしなさい。
それはすべて味方の選手に対する思いやりなんだよ、と教えられ、私はずっとその「思いやりのプレー」を大事にしてきたつもりだ。
技術的なことだけでなく、どんなときでもチームメイトを思いやる心が、チームとしてのまとまりにつながっていく。
アイスホッケーの試合の中でも、ふとした瞬間にその「思いやり」を感じることがある。
チェコ-フランスの試合。オーバータイム(延長戦)でも決着がつかず、3人ずつのGWS(ゲームウィニングショット。
サッカーでいうPK)になり、誰もがシューターに注目していたときのことだ。
どちらのチームも2人目までゴールが決まらず、フランスの3人目。リンクに立ったのは背番号7、ソフィ・セルル。
見事にゴールを決めた次の瞬間、彼女は真っ先にペナルティーボックスへと向かっていった。
そこにいたのは延長戦終了間際に反則を犯してしまった背番号13、エロディ・マリン。味方ベンチの向かい側で、ひとり試合を見つめていた彼女。 自分の反則でチームが不利になる状況を作ってしまい、チームメイトに対して申し訳ないと思っていたに違いない彼女の元へ、セルルは真っ先に向かい、喜びを分かち合ったのだ。
結局、GWSを制したのはチェコ。しかし、これまでの試合の中で、一番見ごたえのある試合だった。
フランスは負けてしまったけれども、2点差を同点にし、さらに1点勝ち越されてもまた追いついたという、その強い精神力そしてチームメイトを思いやる「プレー」に、私は大きな拍手を送りたいと思う。
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